みんな違ってみんないい

黒人ミックスキッズの母として 子育て

将来自分が肌の茶色い髪の毛くりんくりんの娘を持つことになろうとは。

人生には何が起こるか分からない。だから楽しい。

はじめての経験にどうしようと戸惑うこともあります。とはいえ、新しい環境に身を置いたり、新しいことに挑戦するのが好きな性格だということもあり、だいたいは笑って毎日楽しく暮らしています。

今回は、黒人ハーフ・黒人ミックスキッズの母として。少し思うことを書いてみました。

黒人ハーフ ゴロリ誕生

ゴロリはMomi(日本人)とパパ(アフリカ人)の間に生まれた黒人ハーフの女の子。

Momiとゴロリパパとはゴロリが一歳になる前に離婚しました。今でもたまにビデオコールで話をする関係です。

ゴロリは結婚七年目に生まれた子で、それまでは夫婦とはいえ同居人のようなお互い自由な暮らしをしていた私たちの生活が、彼女の登場により一変しました。世間一般でもよく言われることですが、女性の方が妊娠中から母性がどんどん育っていくのに比べ、男性側の父性が追いつかない。我が家の離婚の原因もそこにあったと思っています。

ともかく、そういうわけで私は黒人ハーフの女の子のシングルマザーになりました。

ゴロリが生まれてから、私の世界は彼女を中心に回り始めました。

出産の時は実家の母の助けを借りて育児に専念させてもらい、仕事復帰してからも残業しないというスタンスを取らせてもらいました。毎日娘に会いたくて会いたくて・・会社から走って保育園にお迎えに行ってました。

まだ歩けない、話せないゴロリと二人暮らしをしながらの仕事&家事&育児の日々。

当時は大変だったはずだけど、辛かったとかいう思い出は全くありません。昔から良くない思い出はすぐ記憶から消し去る方なので、辛かった記憶は消し去ったんだと思います。

毎日たくましく育っていくゴロリと過ごせることがただただ幸せでした。

どんどんクルクルになる髪の毛!

ゴロリと二人で暮らして行く中で困ったことがいくつかありました。

まず、彼女と私の髪や肌質の違いへの戸惑い。

黒人とのハーフキッズであるゴロリの髪は、生まれてすぐはストレートだったのが、月齢が上がるにつれてクルクル感がどんどん増していきました。

・・これは、黒人ハーフ・黒人ミックスキッズあるあるですよね?!

シャンプー類は日本人用の物で洗っていいのか、もっと娘に合った製品があるんじゃないか。

お風呂の後の髪やお肌のケアはどうするのが最適なのか。

調べ方が下手なのかインターネットでは欲しい情報がうまく入手できませんでした。

誰かに聞こうにも身近に聞ける友達もおらず。

適当にヘアオイルを買って試してみたりもしましたが、自分がそもそもヘアオイルを使い慣れていないのと、本当に合っているヘアケア方法だという自信が持てずに全て三日坊主という感じでした。

多様性の国、シンガポールへ

2020年現在、仕事の都合で私とゴロリはシンガポールで暮らしています。

シンガポールは外国人在住者も多く、多様性を受け入れる国柄が特徴です。

正直黒人人口は少ないと感じていますが、街中でゴロリの容姿のことで嫌な思いをしたことはありません。

むしろみなさん積極的に話しかけてきます。パワーアップした大阪のおばちゃんみたいです。

「それは地毛なの?」

「彼女はいったい何人なの?」

「あなたと彼女は本当に親子なの?」

日本だと直接聞かれることは限りなくゼロに近い質問群ですが、シンガポールの方達は興味津々で聞いてきます。

差別や偏見の気持ちではなく興味があっての質問だと分かるので、聞かれた方は全然嫌な気持ちにはなりません。

「地毛ですよー」

「日本人ですよー」

「本当に親子ですよー」

と返してます。重ねて「ほんとに??」と聞かれることもありますが笑

渡星してみてシンガポールにいる皆さんの寛容さをありがたく受けながらも、日本へ帰国した際の不安が募っています。

ゴロリ、「洗礼」を受ける

シンガポールでゴロリが容姿のことで唯一嫌な思いをしたのは、日本人生徒が9割超の幼稚園へ通っていた時でした。

子供達も駐在家庭が多く、肌が茶色いのに日本語を話すゴロリの存在はおそらく彼ら彼女らの人生ではじめてだったんでしょう。

「インド人!」

「ボサボサ頭!」

日本で通っていた保育園では、みんなが小さい頃からゴロリの存在を当たり前に受け入れてくれていたので、シンガポールに来てはじめて「容姿が違うことへの洗礼」を受けることになりました。

学校嫌だと訴えるゴロリの寝顔を見ながら、毎晩胸が締め付けられる思いでした。

どうするのが彼女にとって一番良いことなのか。

それでも「学校嫌なら休んでもいいよ」と言うと、「・・・頑張ってみる」と一回も休んだことはありませんでした。

休んでも家には住み込みのインドネシア人お手伝いさんがいたので、

「英語オンリーのお手伝いさんとの留守番」

「嫌なこと言う子もいるけど、日本語を話す子たちと過ごす時間」

この二つを天秤にかけて、後者を選んだんでしょうね。

そうこうするうちに学校でも気の合う友達ができはじめ、渡星2か月後くらいからは英語も上達してきて、お手伝いさんとも学校のお友達とも上手くやっていけるようになりました。

子供の順応力ってすごいなあと驚かされました。

環境に対応するように頑張っているゴロリをただ見守るのは本当に辛かったけど、彼女の成長と限りない可能性を目の当たりにしてとても誇らしい気持ちでした。

こういう経験はハーフ・ミックスキッズに限ったことでは無いと思うんですが、日本は単一民族なこともあり、特に直接的な表現をする子供社会では外見の違いというのは格好の「ネタ」になりがちです。

そこを子供が乗り越えるために親としてどういう風に関わっていくかが大事になってくると思います。

私が心がけているのは、

「ゴロリの肌の色はほんとに素敵だね」

「髪がくるんくるんでかわいいね」

「人と違うっていうのはすごく素敵なことだよね」

とポジティブな声掛けをすることです。

実際に人種が混ざり合ったゴロリの容姿は、本当に美しくて芸術品だと思います。

ゴロリが肌の色について何か言われた時には

「きっと、肌が茶色くて日本語を話す子をはじめて見てびっくりしちゃったんだね」

「ゴロリのパパはもっと茶色い肌なんだよって言ったらびっくりするかな」

「パパとママの肌の色が合わさってゴロリの肌の色になってるんだよ」

「他の子達はパパもママも同じような肌の色だから、合わさった子供の肌もパパとママと同じような色なんだろうね」

無知って怖いことで、ただ知らないというだけで相手を傷つける言葉を発してしまうことがあるものです。

でも悪いのは知らないことであって、知らない人自体は今までそういう機会が無かったんだからしょうがないよ。と割り切ることは大切だと思ってます。

子供は特にまだ経験も少ないし、知らないこともたくさんありますから。

ゴロリとの出会いで、他の子達が「肌が茶色くて髪の毛がくるくるの日本人もいるんだ」ということを知ってくれるきっかけになればいいなあと思ってます。

これからのこと

娘は小学校以降を日本で過ごす予定です。

シンガポールでの経験を踏まえ、日本での生活には正直不安もあります。

同じようにハーフ・ミックスキッズを持つ親御さん。同じような悩みを抱えていらっしゃる方。

もちろん子供達自身の人生ですから、私たちに出来ることは多くないかもしれません。

でも、何か出来ることはあると思ってます。

子供たちが乗り越えられると信じてあげること、寄り添ってあげること、本当に辛くてどうしようもなくなった時には大人の力を使ってサポートしてあげること。

個人的には、マイノリティであることで辛い思いをするのは悪いことばかりではないと思っています。

これからはマイノリティも多様化していきます。

相手の立場に立って考えられる、弱い立場の気持ちも分かるということは、この世界でいろいろな人と関わっていく上で必要とされることだと思うからです。

ハーフ・ミックスキッズの子供達は多様性の代名詞のような存在です。

彼ら彼女らが、見た目のマイノリティによって不当な扱いを受けることはあってはならないことだと思います。

みんな違って みんないい。

みんな違ってていいんですよ!みんな素敵だよ!

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