正直このブログを書くまでは、我が子を表現する言葉として「ハーフ」「ダブル」「ミックス」という言葉の持つ意味をあまり深く考えたことはありませんでした。そういうことを意識せずとも暮らせていたということで、恵まれた環境だったのかもしれません。
このブログではゴロリを表現する際に「ハーフ」と「ミックス」という言葉を用いています。今回はその理由について書いてみました。
ゴロリはハーフ?ダブル?ミックス?
このブログをはじめようと思ったときにすごく悩んだことが一つありました。それはゴロリを黒人のハーフと呼ぶかダブルと呼ぶかミックスと呼ぶか・・ということです。
日本ではハーフという呼び方が一般的で、インターネット上でも「黒人ハーフ」や「ハーフ」と検索をかけると一番情報が出てきやすいです。
このブログの記事内でもゴロリのことを「黒人ハーフ」「ハーフ」という風に表現することが多いですが、それは日本での一般的な呼び方を意識してのことです。
みんな何気なく「ハーフ」という言葉を使用し、特に差別意識もなく用いている方々がほとんどだとは思うんですが、ハーフと呼ばれる本人や本人に近いところにいる私達は、どうしても敏感にならざるをえません。
ハーフやダブルは日本独自の呼び方
「ハーフ」というのは日本独自の呼び方です。両親のどちらかが日本人以外で「日本人以外の血が入っている=ハーフ」と呼ぶことが多いです。見た目だけで判断されることが多いので、外国人の血が1/4でも1/8でも「ハーフ」とひとくくりにされることがあります。
「ハーフ」を言葉通り解釈すると「半分こ」「半人前」というネガティブな印象が強いため、人によっては「ハーフ」と呼ばれることに非常な嫌悪感を抱かれる方がいらっしゃいます。
一方「ダブル」は、「ハーフ」が日本人からの目線で「日本人が半分入っている」と解釈するのとは対称的に、「日本人+日本人以外」の両親から両方の特徴を受け継いでいるという意味合いで、ポジティブな印象を強調しています。「ハーフ」という言葉に疑問を感じた方が生み出した言葉とのこと。ただ、一般的に浸透するにはまだ時間がかかりそうです。
この「ハーフ」や「ダブル」は言語的には英語由来であるものの、人の要素を表す言葉としては日本独特のものです。日本語の意味で使うように英語圏で使っても通じません。
ミックスが一番しっくりくる?
もうひとつは「ミックス」という呼び方。このブログを書き始めた当初は、ゴロリのことを「黒人ミックス」と表現していました。
ハーフやダブルという「半分」「二倍」というようなくくりでなく、ゴロリのことをもっと多様性を持った存在としてとらえたいと考えていたためです。
そもそも「ハーフ」も「ダブル」も日本人であることがベースにあっての呼び方なので、これからどんどん国際結婚が増えていろんな人種が混ざりあっていくことで、さらに意味合いがあいまいになって使いにくくなっていくような気がしています。
しかしながらこの「ミックス」という使い方も国際的には一般的な言い方ではありません。そもそも他の人種が混じり合っている割合が多い外国では、わざわざ他の血が混じっていますよと強調するような単語を使って特定な表現をする必要がないんです。
ゴロリちゃんは何人なの?
以前、仲良くなった日本人のお友達から、ゴロリは一体何人なのかと聞かれたことがありました。耳をダンボにしてお友達との会話を聞いていると
ゴロリちゃんは何人なの?
私は日本人だよ
でもゴロリちゃん、茶色いし髪の毛もくるくるだよ?
私のママが日本人で、パパはカメルーン人なんだよ!パパは私よりももっと茶色くって髪の毛もくるんくるんなんだよ!!
そうなんだあ。ゴロリちゃんも日本人なんだね!
とっても誇らしげに説明するゴロリのことを、とっても誇らしく思った母でした。
すごくシンプルな会話ですが、まさにその通り。英語で聞かれた際にも上記の会話を英語に直訳した表現で返すのが一般的です。
人種も文化も言語もすでにいろいろ混ざっている諸外国においては、一言で自分を表すのは難しく、両親や祖父母のルーツ、時には自分が育った環境なども説明しなければなりません。
日本人にもいろんな日本人がいるし、肌の色や髪のヘアタイプなんて、ひとりひとり見れば実際はみんな違ってるんですよね。変な話、カメルーン国籍を選択すればゴロリはカメルーン人になってたかもしれないわけで、国籍なんて人間のアイデンティティの要素のちっちゃいひとつにすぎないなと思います。
最後に
松下幸之助さんの名言で「出る杭は打たれる 出過ぎた杭は打たれない」というものがあります。これはいろんな世界に当てはまることで、日本ではマイノリティの「ハーフ」「ダブル」「ミックス」とされる全ての子たちに届けたい言葉です。
松下幸之助 成功の金言365
私自身は、人と違うことや新しく何かに挑戦することが大好きな人間なので、容姿が目立つということはメリット以外の何物でもないと思っていて、ゴロリにもいつもそう伝えています。自分のルーツをしっかり理解した上で、みんなと違うということを楽しんでこれからの人生を歩んでいって欲しいなあと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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